学生時代の実習では、1人の患者様を診るので精一杯でした。だから初期研修医になったとき、20人を診なくてはならないと聞かされて無理と思ったのも当然のこと。ところがわずか4週間後には「40人でもなんとかできるんじゃないかな」という自信がついていました。もちろん看護師やコメディカルの皆さんに助けてもらってのことだけれど、それでも、想像さえしていなかった大きな成長です。
初日から目が回るような忙しさでした。覚悟していたけれど、いや、むしろ忙しい方がいいと望んでいたことだったけれど、予想を上回る忙しさでした。迷ったり悩んだりしている余裕さえなく、とにかくストイックに仕事に取り組むしかない環境です。だから鍛えられるのは間違いないですね。それが“気がつけば40人”という今の姿。絶対的な臨床力が身につくのは間違いないし、ここで鍛えられればどこに行っても通用するでしょう。
高校時代、カンボジアを旅行して、貧困と病に苦しむ人たちを目にしたことが、私の原点にあります。思いは、ただ人を助けたいということだけ。「この先生でよかった」と言われる医師になれたら、それで満足です。