救急車で患者さんが運ばれてきても、最初の頃の私は何をすればいいかもわからずオロオロするだけ。怒号飛び交う中、とりあえずバイタルを安定させなきゃと思うのが精一杯でした。そんなふうにして1年間を過ごしてきたおかげで、少しは仕事ができるようになったと思っています。あの時叱ってくれた先生方の言葉に感謝しています。
辛いことも多いです。特に全身状態のよくない患者さんの容態が急変した時など、自分の無力さが悔しくなります。でも、落ち込んでちゃいけない、顔を上げなきゃ。もっと力をつけて一人でも多くの人を救えるようにならなきゃ。目の前の患者さんがそんなことを私に教えてくれたんだと感謝しています。
考えてみれば初期研修医の2年間というのは、とても贅沢な時間です。誰に何を質問しても教えてもらえるし、病院全体で私を育ててくれようとしているのですから。この2年間という限られた時間をより充実したものにするめため、ファーストタッチを研修医に任せてくれるこの病院を選んだことは、正解でした。目標とするのは、病気だけでなく、患者さんの心の不安や迷いなども解消してあげられる医師になること。もっともっと経験を積んでいきたいと思います。